お客さまをお連れし、神嶽川を船場から古船場まで歩いた。
「素晴らしい、こんな場所がまだ日本に残っていたとは」としきりに感心される。
私たちには見慣れたあたりまえの風景でも、見る人が見ればとてもすごいものらしい。
「ぜひここに船を浮かべなさい」といわれた。
「実はもう浮かべたことがあるのです」とはいえなかった・・・。わたしも浮かべたい。
およばずながらこれまで私が調べてきた、江戸から続く小倉の街と人と水の関わりの歴史を、ひととおり進講する。
「いやはや、これは柳川以上の文化資源ですよ、世界にほこる財産になります」
「うー、ごめんなさい」。
8年も旦過に店を持ちながら、あんまりマジメにやってこなかった自分を反省した。