2016年6月20日月曜日

選挙と政治を楽しむために

18歳選挙権を手にした子に不在者投票宣誓書を送る。最初の選挙からいきなり日本の未来を左右する重たい選挙だ。まあ、選挙ってのはおおかたいつも重いんだけどさ。


選挙ってどう考えたらいいのだろうか、わかりやすいアドバイスを考えてみた。


もっとも明快な選択は、自分の社会的境遇に近い人に投票するという方法だろう。


私たちの社会は、代表民主制を採っている。つまり議員とは、私の身代わりとなって政治の場で意見をいう人なのである。さまざまな異なる境遇や利害を持つ人が、それぞれの意見の代表を選び、議会で討論してもらうというのが代表民主制の趣旨である。


だから、もっとも自分に近い立ち位置の人を探して、自分の代表に選ぶという方法がその趣旨にかなっているというわけ。

学生なら学生
女性なら女性
社長なら社長
平民なら平民
のんきなひとはのんきなひと
うそつきはうそつき

より自分の属性との重なりが多い人を選ぶ、というのがこのシンプルな原則。まあ、そうなると二世議員を選ぶ人は、親の七光りで生きている人ということになるよね。候補者の経歴を調べるのは、よくわからない選挙公約を理解するよりずっと簡単だし、たぶん楽しい。


むろん当選した議員は、特定の人の利益のためではなく法に従い国民全体の代表として働く義務があるのだけれど、たとえばお金持ちに貧乏人の気持ちを理解するのは難しいだろうから、自分の意志を政治に生かすためには、候補者の属性は大事なポイントだよ。


そして、絶対に避けるべきなのは、人気投票や勝馬投票だ。議員はアイドルや競走馬ではない。誤解している人も多いけど、政治の選挙は、握手した人に入れる義理もないし、入れた人が勝てばいいという賭け事でもない。

むしろ逆だろう。握手したから入れるなんて完全になめられている。自分の意志を投票で表明しているのだと考えれば、たとえ支持した人が負けても、それはそれでかっこいいスタンスだ。同じ意味で、政党名で決めるというのも、なんか他人任せでかっこわるい。政党が人数合わせでひどい候補者を公認するなんてことは、ざらにある。テレビで泣いてた誰かさんとかさ、昔からそんなの多いよ。


むろん現実の政治は難しい。利害も交錯するし虚言甘言も多い、自国だけでなく国際的な視野も必要だ。過去の歴史とこれからの未来がかかっているのだから、難しいのは当然である。もしさっきのシンプルな原則のうえで、さらにもっと難しいことを考えて判断したいのであれば、それもできるだけ考えた方がいい。


たとえば、なにかと話題の今回の18歳選挙権。私もこれでいいと思うし世界的潮流でもある。でも今の状況での突然の可決は、かつての普通選挙法と治安維持法の抱き合わせを連想させて不安も感じる。日本史で習ったあんなことが再び起こるのだろうか。そこには政治家たちがたくらんでいる、飴と鞭の裏側があるのかも。

そんな政治家の思惑や歴史的背景も考えてみるのも、政治や選挙の楽しみかもしれない。なによりも政治は自分たちのことなのだから楽しまないとね。