http://www.albatros-film.com/movie/yokihito/
まだ見ていない人は見るとよい。人間の弱さと強さと、怖さと悲しさと、絶望と希望を見るだろう。
1984年のこの時代、まだ技術の限界のおかげで、相手が顔が見えない匿名の存在ではなく、顔が見える隣人であったことが、この映画の中で人間性という細いクモの糸をつなぐ「唯一の希望」になっている。そしてそれは「人間とはなにか」を考える重要な手がかりになるだろう思った。
一方で情報化技術の進歩によって、匿名の池で「個人」がまるはだかにされている今の私たちは、もし再びこんな時代がやって来たら、たぶんひとたまりもないだろう。人間に出会う前に、絶望の淵の中に粛々と粛清されるだろう。
奇しくも、東ドイツから日本に住み、長らく北九州で演劇をしていた舞台演出家のペーター・ゲスナーに10年ぶりにあう。こんどの日曜日、八幡のデルソルのホーメイのライブ会場で・・・。とても楽しみである。いろいろな話がしたい。