いい乳酸菌をとるための食品の話はよく聞くけど、いい大腸菌のための食品の話はまったく聞かない。なぜ?どちらも腸内細菌なのに。わかる人おしえて。
常在菌としての大腸菌は、基本的には害をもたらしません。それが、近年の腸内環境の変化や家畜にも存する大腸菌が家畜の飼料の影響(例:乳や肉の生産のためにたんぱく質を混入するようになりセルロースを溶かす菌との変な競合関係をうむ)、悪さをするようになった(=変異が選択された)のです。動物と長く共存してきた(まさに大腸に常在する)大腸菌は、腸内ではぜんぜん悪さをしませんが、腸の外部や、腸内の傷などには他の最近と同様感染症を引き起こす原因になります。乳酸菌は、乳を醗酵させる菌ですが、これも細菌の一種ですが、大腸菌ほどは有害度は少ないだけです。腐った牛乳(乳酸菌以外の細菌が優先する)は当たりますが、チーズやヨーグルトが当たらないのはそれによりますが、ゆるくなりだめな人もいます。ゆるくなるのは、腸内の活動に刺激を与えるからでで、乳酸菌そのものが悪いわけではありません。
多くの大腸菌が悪さをしないのはよいのですが、お腹によい大腸菌をとろうという話にはなぜならないのでしょうか?これが問いです。悪い大腸菌と良い大腸菌の区別がつかないから???
「乳酸菌」は乳酸発酵をする様々な細菌の総称ですが、「大腸菌」は1種の細菌の名称です。また有害な大腸菌は、だいたいが他の細菌の毒素などの遺伝子を形質導入されたミュータント株です。おそらく、ご質問の答えのヒントはこのあたりにあります。
ラクトバシラス「属」ってことかな。大腸菌は1種。良いやつがとつぜん悪く変異するのかな?
これが不思議なのですが、バクテリアでは遺伝子の一部が、ウイルスに取り込まれて、あるいはプラスミドに組み込まれた状態での「接触感染」によって、他の種のバクテリアに取り込まれることが、まれにあるよぅなのです。すると、他種のバクテリアがもつ毒素産生に関する遺伝子が導入される可能性もあるのです。
よい解説がありました。
JA.WIKIPEDIA.ORG
良い株と悪い株は「生化学的性状では区別できない」のね。
ネットにはおおくの大腸菌は無害とあるけれど、大腸菌って何の役にもたっていないという意味なのかな?つまり良い大腸菌なんてない??
それはわかりませんが、通常の大腸菌は、少なくとも腸内で悪さはしていません。ただ、腸内で優占しているわけではありません。うんこの半分以上は細菌でできていますが、ひり出されて空気に触れた瞬間、腸内細菌の大部分を占める偏性嫌気性細菌(酸素があると生きていけない細菌)が死に絶えるために、生菌検査では酸素に耐えられる通性嫌気性細菌の大腸菌が中心になるのです。
安渓 遊地
安渓 遊地
カミサマは、わたしたち大腸菌が増えて栄えられるように哺乳動物をおつくりになったのです。
人間が大腸菌の役にたっているわけですね。まあそれでもいいですね。
みんなキョウダイシマイでおたがいさまです。チーン。
まあ、たいていの生物は人間とはまったく関係なく生きているわけですから。何でもかんでも人間にとって有用なのがいいという有用思想も、たしかになんか変な気がします。とくだんよくもわるくもないというのが普通で、なかには片利共生というのもあるので、もしかすると細菌にとって有用な人間になりたいという思想があってもいいわけですね・・。だからといって死にたくはないけどね。死んだら細菌くんだって困るはずよ。
多くの大腸菌が悪さをしないのはよいのですが、お腹によい大腸菌をとろうという話にはなぜならないのでしょうか?これが問い>>エコシステムの問題でしょう——極相林と人工林(植林)のちがい。
乳酸菌が極相林で大腸菌が人工林という意味でしょうか???
いわゆる善玉菌の定義は宿主が健常な時の細菌叢に比較的多く見られる菌で、指標的な意味合いも強いです。善玉菌を増やす方向の働きかけ=宿主を健常な状態に保つ働きかけとなりやすいです。
大腸菌はわずか居れば役割は十分(少なくとも大腸内容物の消化、時に病原性を持つ大腸菌自体への免疫誘導などで役には立ってます。他にもまだわからないところで色々役には立っているはず。)で、大腸菌が必要以上に増えている状況は腸内環境が悪い(様々な細菌が協働で腸環境を利用調整して内容物を分解する状況から逸脱している)状況ですから、腸内の大腸菌を積極的に増やそうということにはならないのだと思います。
「マイクロバイオームの世界」とか「腸と内臓」とか読むとわかりますが、積極的によい大腸菌をとることも行われています。今のところ、深刻な自己免疫疾患に対して、ゲリラ的に、というところのようですが。ただし、とるのは腸内細菌であって、大腸菌ではないです。
え?よい大腸菌というのもあるのですか?あ、じゃなくて腸内細菌ですね。
通常は、人体に有益なことをしています。ので、免疫で排除されない。しかし、免疫が弱ると悪さもします。あちらは、あちらの都合で生きていますので。ただ、腸や皮膚に常在菌がまったくいないと、健康に生きていくのは困難とされています。
大腸菌は基本役には立っているけど、条件次第で悪さもする?乳酸菌はおよそ役に立つだけであまり悪さをしない?いやいや、でも虫歯の菌だって乳酸菌だから、こちらだってケースバイケースですね。あちらもあちらの都合がありますからね。
吉田さん>
なるほど!ストンと腑に落ちました。つまり大腸菌はあまりにありふれていて指標として使えないけど、乳酸菌は環境で差が出やすいので指標として使われているということですね。とても説得力がある説明だと思います。
そしてこの説明によって、手段としての指標が、目的になってしまっているという転倒現象も理解できます。
医療や教育業界では起こりがちなことだけど、たんなる指標として使っていただけのものが、まるで金科玉条のようにあつかわれ、最終目的になる。もちろん、確かにこれで有効なときもあるけど、ぜんぜん意味のないことも多い。この手の言説がけっこうトンデモ系に走りやすいのはそのせいですね。
例を考えてみました
名前に「子」がつくかどうかを指標にすると、女子の学校の成績に差が見られる(これは日本のある時期に本当にこういうデータがあったのです。そしてこれ自体は正しいデータでした)、それがテレビとかに取り上げられ自分の子供に「子」をつける人が増えたとか。
ホタルは水の浄化の環境指標に使われると知り、ホタルを別に養殖して川に放す(同じようにサンゴの移植もこれにちょっと似ているところがあって危ない)とか。
お腹のまわりがなにかの指標にされるので、身体測定の時に一生懸命に息を吸うとかね。
テストの点数もそうかも知れません(^^;
まさにそのとおり。単に好奇心や知的能力をはかる指標なのにそれが目的になっている。いまにギャグの回数でIQがわかるなんて研究がでれば、きっとギャグの塾ができて、吉本が難関校になります。