2016年2月12日金曜日

深層学習理論に基づく脱洗脳コラージュ

国家主義への道は急に始まったわけではない。20世紀末の小渕内閣の時から徐々にすすめられ、アメリカ貿易センタービルへのテロ、東日本大震災をへて、不安や不況の雰囲気を栄養にしながら、ここまで太ってきたのだ。


これは2007年7月25日につくられたポスター。すでに9年前である。

皮肉な矛盾がここにある。
非正規雇用と低賃金政策で、もっとも国家主義の被害を受けている社会層。
本や新聞はあんまり読まずテレビやネットが大好きな社会層。
ウソとホントの区別がつかないから気にしないことにする社会層。
とりあえず嫌なことには耳をふさぎ躍起になって否定する社会層。
不安に怯えるばかりで怒りもしないし悲しみもしない社会層。
デモやストライキをする時間もお金も友人もない社会層。
いつかだれかに何としてもらえるとカリスマ登場を願っている社会層。
どんなめにあっても最後まで日本が一番だと信じている社会層。
そして、いざというときにお国によって最初に犠牲にされる社会層。
かれらが、もっとも熱心に国家主義政党を支持しているという悲しい矛盾だ。


党派性が大嫌いで政治も苦手、選挙のたびに広報の公約を熟読して投票相手をきめるような典型的な浮動票無党派層の私が、正面切って政治の話をするのは、すこし気が引けるけれど、この不穏な空気の中で、自由な生活と子孫の未来を守るために、今のうちに伝えておかないといけないことがあると感じている。

野党連合なんてあてにしなくてもよい。第三極も共産党もあてにしなくてよい。政治家に調整を期待する必要などない、政治は国民が決めることだ。デモやストライキに参加できなくてもよい。問題はもっとシンプルだ。民主主義の原則が守られている今のうちなら、まだ選挙で決められる。

で、どうする?わかりやすくワンフレーズ・ポリティクスでいこう「この先どんな選挙が行われようと、自民党と公明党だけは投票してはいけない」。ナチスドイツが独裁政権を敷いたときのように、まもなくこんなことを書けない時代が来るかもしれないけれど、今ならまだ誰でも言える「自公はもう入れません」。


このメッセージは、今までの選挙でなんとなく自公に入れていた人や、選択肢がなくてどうしたらいいのか解らない人、自公が自分たちのためになにか良いことをしてくれていると信じてきた人たちのために送る。そして、みなさんのそんな友人たちに伝えて欲しい。

ここでは、あえて思想や信条は問題にはしない。むろん知っておいたほうがよいことは沢山あるけど、思想や信条は多分に感情に依拠するものだから、その正否に議論のエネルギーをかけるのはむしろ不毛だろう。たとえあなたが創価学会や神道政治連盟、立正佼成会、国際勝共連合、そして統一協会のメンバーだったとしても、さらに、あなたが個人的に池田大作や文鮮明や天皇を崇拝しているのだとしても、ここは思想信条と政治経済を切り離して、シンプルに考えたい。


あなたの株式配当が全収入の7割を超えていたり、あなたが年収3000万円以上の会社経営者だったり、あなたの身近に自公の政治家がいて莫大な利権を廻してもらえるのであれば、ここではあなたをRグループと呼ぼう。もしあなたがRグループでなければ、自公に入れる理由はなにもない。

もしあなたの年収が800万円以下ならば、あるいは年金生活者であれば、自公の政治家の食い物にされる最大のターゲットである。そういうあなたをMグループと呼ぼう。ここには個人経営の自営業やサラリーマンだけでなく、先ほど書いた悲しい矛盾を抱えた社会層もここに含まれる。多数派をしめるMグループの人たちは、自衛のために絶対に自公に投票すべきではない。

そしてRグループでもMグループでもない年収800万円から3000万円のあなたは、Nグループだ。Rグループに憧れるあなたはついうっかり自公に入れてしまうかもしれないけれど、むしろRグループこそが自分にとっての熾烈なライバルであることを忘れてはならない。政治力を得たRグループは既得利権と閨閥を利用して、Nグループのあなたを引きずりおろそうとねらっている。

票はひとりひとりに与えられているけど、親や配偶者と相談して考えたいのであれば、家計をともにする家族の総収入を足して人数で割って判断すればよい。もし選挙権のない子どもがいるのなら、財政破綻のツケをまわされ国家のための戦争にかり出される次の世代も頭数に加えておいた方がいいだろう。


経団連のようなロビー団体や、さまざまな宗教団体がバックにつく国家主義政党は、スポンサーの立場を利用してマスコミを操作している。最近では、あからさまに露骨な政治圧力も辞さなくなってきた。そしてお金を持つRグループの人々は政治活動の名の下で、高額の政治資金を投入し広告代理店の電通や博報堂を雇い、ウソにまみれた洗脳まがいのイメージ広報を繰り返す。

そもそも政党名からしてウソである。立憲主義に基づかない自由とはRグループと為政者だけが自分勝手にできる自由のことだ。為政者の暴走を防ぐために国民が定めた憲法をないがしろにする民主主義など世界中どこにもない。そしてまるで会長様にお見せするマスゲームのように、選挙が近づくと信者たちが布教のように励む組織票には公明性の微塵すらない。

お金もマスメディアも特定の団体の後ろ盾も持たないMグループやNグループの私たちが、本当の意味での自由と民主主義を守るためには、ひとりひとりの智恵と草の根ネットワークを使うしかない。公平で安心な社会を維持するためには、カリスマ的な誰かに期待するのではなく、自分でできることからはじめるしかない。


なので私は、最近はまっている深層学習理論に基づく「深い夢」を応用して、政党が作った洗脳ポスターの脱洗脳コラージュを作ってみたぞい。制作コストも広報力もお金をもらって仕事をする広告代理店には全然かなわないけど、作品の著作権とかすべて放棄するので、子孫の未来と、みなさんのお友達のために、自由に利用してけろ。