2015年2月21日土曜日

大国林道にはいる(やんばる旅その3)

名護を抜け大国林道の南はしから、いよいよヤンバルに入る。マングースの侵入を防ぐために道の入り口にはゲートがつけられ、手で開け閉めしなければならない。林道をはしりだしてすぐに「イボイモリ横断注意」の看板があった。魚部メンバーが色めきだつ。


大国林道は、やんばるの背骨を貫くように南北に走っている。海岸には整備された道があるために、林道はほとんど車も走らない。ときおり見かける車は「やんばるマングースバスターズ(YMB)」のものばかりだ。


こんな林道がなぜ必要だったのか、どんな経緯で開通したのか詳しくは知らないが、本土復帰後の1977年に工事が進められ1994年に開通。1996年には住民監査請求の大国林道開設訴訟も起きている。



申し訳程度につけられているU字側溝の階段

実際、道の至る所で土砂崩れが起きているのを見た。台風や梅雨の大雨のたびに、保水力が貧弱な国頭マージの赤土の表層は、弱いところから崩れ落ちる。そのつど工事をし、手を入れているようだが、とても無残だ。尾根筋の崖にナイフを入れたように敷設されたこの林道は、下流域への影響も大きいだろう。道路脇にずっと続くU字側溝も小動物には致命的な障害物だろう。






そしてヤンバルの森の植生は、思ったより貧弱で、熱帯雨林のジャングルというイメージからはほど遠かった。九州の照葉樹林よりも樹高が低い。これまでいったことのある奄美大島や西表島の森ともずいぶん違う。昔から人の手が入っているためだろうか、急斜面と栄養のない赤土土壌のためだろうか。



それでも35.5kmにもおよぶ林道の周囲には広大な森林がひろがる。右手の東半分は米軍の北部訓練場である。道の脇にはきれいな小川が幾筋も流れ込んでいる。車を止めて沢から森に入る。沖縄も厳冬期、シリケンイモリはちらほらみかけるが、おめあてのイボイモリはみつからない。落ち葉の下でじっとしているのだろうか。





道は少しずつ高度を上げ、与那原岳までわずかな所まできたが、昼食と夜の買い出しのために、いったん奥間にある道の駅「ゆいゆい国頭」におりてきた。