2013年2月24日日曜日

「もし」が呼びかける先に

仙台より南下し、阿武隈川周辺の津波のあとをめぐる。


案内してくれたのは、この地域の元校長先生。


淡々と語る地震の日の記憶は、数多の「もし」で埋め尽くされていた。もし学校が半日出校でなかったら、もし携帯からの連絡がなかったら、もしあのときすこしでも迷っていたら、・・・もし・・・。


もし、もし、もし・・・。



呼びかけるその言葉の向こうには、多くの知人の非業の死がある。ありえたかもしれない過去がある。学校から海まで海から2キロ。わずかな高低差が生と死を分けた。わずかな時間差が生と死を分けた。そしてその紙一重の結果の今がここにある。


もし、私が彼だったら・・・。むき出しの平原の真ん中に立ちながら、私の想像力は、隣にたたずむ彼の視野の先を、追いかけようとし、しかし、決して立ち入れないその日の風景に怯え、ただ震えるばかりでその場を動けない。


枯死した松林のなかに建てられた、真新しい墓地の向こうには、がれきを燃やす火が光っていた。

2013年2月21日木曜日

鬼首に行った

鬼首とかいておにこうべと読む。仙台への出張のついでに、鬼首にたちよった。



鬼首は、阿蘇のような、カルデラの中にある隠れ里である。航空写真を見るとその様子がはっきりとわかる。写真右上が仙台の方向になる。


鬼首はかつて、坂上田村麻呂がここで鬼を倒し、その鬼の首が岩にかぶりついたところから、その名がついたともいわれている。


鬼とは、先住民をさすのだろうか。かのアルタイの怨念を感じる。

鳴子ダムにせき止められた荒雄湖がこのカルデラへの入り口である。
荒雄湖は白く凍っていた。


急な斜面を上がり、鬼首に入ると一面「銀世界」だった。かつては冬には完全に閉ざされていたに違いない。


集落の中に、面白いお店があった。山でとれた山菜やキノコを瓶詰めにして売っている。
店の奥には熊の毛皮が見える。


赤まむしは3ピキ入りで18000円である。


これらの瓶詰めは、店主の大久さんの手づくりである。大久さんは薬草にも詳しい。


地元でとれた蜂蜜を加工した、「ブルーベリージャム」。


そして「鬼だれ」をおみやげに買った。


疲れに効くというので「またたび」もかった。


鬼首の入り口に、「こけし」で有名な鳴子がある。

 

鬼首とこけし・・・子消しの里・・・なんだかちょっと怖い。


そしてこのあたりは、納豆の産地でもある。道の駅で納豆を買った。
お約束の発酵系のお土産である。


さらに道の駅にナメコの栽培キットが売っていた。350円。

そういえば、このごろこどもたちが、ナメコの栽培がどうのこうのと話していたっけ?ナメコの栽培に興味があるのかな?ちょうどよかった、これもお土産にしよう。


 こどもたちもきっと喜ぶに違いない。