2013年3月21日木曜日

阿波の人形師



府中と書いて「こう」と読む。かつて阿波の国府(こうのみや)が置かれた地だ。ここに伝説の人形師「天狗久」が住み、浄瑠璃人形師の里となった。


府中に現代の名工、美馬由夫さんの工房を訪ね、人形の仕組みや由来についてお話を聞いた。作りかけの人形を見せながら、美馬さんは実に気さくに説明をしてくれる。桐の木を削り鯨の髭をバネにした人形たちの精巧な仕掛けに驚かされる。






府中には1998年春に誕生した、全国初のエコ・ミュージアム「こくふ街角博物館」がある。「みて、さわって、つくらんで」をテーマにした地域の振興と発展を探求する博物館である。



エコミュージアムとは、地域の人の日常生活そのものを見せる博物館で、実際、見学と言っても、玄関の呼び鈴を鳴らしてお家におじゃまする所からはじまる。いきなり訪ねてきた客を心地よく歓待してくれる。






四国には、お遍路さんに対する「お接待」がはぐくんだ「おもてなしの心」がある。エコミュージアムの成功の鍵は、そんな四国の風土にあるように思った。