2011年1月19日水曜日

OS遍歴

コンピュータの使い勝手って、案外ふだんからの指の癖や、慣れた操作の手順、なじみのあるシステム環境に依存していることが多い。だからアプリケーションソフトは新しい機能を次々に取り入れて便利にしても、それを動かすためのオペレーティングシステム(OS)に対してはどうしても慎重になってしまう。

ユーザーの立場から言うと、どんなに新しくてスマートな方法が提案されても、いつもの古いやり方をついつい選んでしまうということだ。少なくとも古い操作法も残しておいてくれないと気持ちよく移行できない。こうしてOSはどんどん複雑になり肥大化する。

さて、これまでの私のOS歴を概観してみる

1982 ROM BASIC と CP/M
1988 MS-DOS 2-3
1993 NEXTSTEP(研究室)
1995 Windows95
2000 Windows2000
2005 WindowsXP

Windows3.1とか Windows Vista とかは完全にスルーしながら、一時的に OS/2 や Linux を試してはいる。しかしメインの仕事で使うOSでは、カスタマイズされた環境や便利なツールをなかなか手放すことができない。実際、上の遍歴は、古いOSの終焉がみえるまで使い尽くすパターンを繰り返しており、ユーザーとしてもわりと保守的な方だとおもう。

しかしながら、それでも年表を見ると、ほぼ5年ごとに、OSを乗り換えていることがわかる。(ちなみに1997年までのコンピューター歴は「こくら日記56」に書かれている。[KOK 0056] 06 Jun 1997

そして昨年がその5年目の2010年である。ながらく使い慣れてきたXPもいよいよ先が見えてきて、次はどうしようかというタイミングで、正直迷った。順当に行けばWindows7だろうが、Vistaあたりから見た目や操作性もずいぶん変わっており、古いアプリケーションとの互換性もあまり良くない。

研究室で映像の編集のために購入したMac Pro に VMware Fusion を入れて、仮想化した WindowsXP を動かしたところ、思いの外さくさくと動く上に、システムのバックアップも簡単だということに気づいた。この先まだXPを使い続けるとしても、このやり方が便利かもしれない。

屈折した動機だが、ついにマックユーザーである。はじめは、ほとんどのアプリケーションを、今まで同様、仮想XPで動かしていた。しかしNTFSでフォーマットした外付けデータ用HDDをMacと共有化した時点で、この際だから普段使う環境も少しずつ移行していこうと方針を変えた。

これまでの環境に慣れきってしまっていたのと、試行錯誤であたらしいMacのアプリケーションを確認する作業に時間がかかり、今回の移行には結局半年くらいかかってしまった。しかし最初に考えていた以上にMacのフリーウエアは充実しており、結果的にXP時代以上に使い勝手の良い環境が構築できた。

次の記事では、これから移行を考えている人の参考ために、どこをどう変更し、具体的どんなソフトを導入すれば、ディープなXPユーザーが、ストレスなくMacに改宗できるのか、具体的な方法を紹介しよう。ネット上にそんなページはたくさんあるのだが、網羅的な情報は少ないと感じた。それに私が半年かけて試した結果である。すこしは書いておく価値があるだろう。

次回「我いかにしてマックユーザーになりしか」お楽しみに。