2017年2月6日月曜日

納豆雑記

納豆については、いろいろいいたいことがある。あの化学調味料が入っただし汁や辛子は、おいしくないのでつけなくてよい。おいしい醤油と鰹節があれば十分だ。

私の毎朝の習慣は、煎茶を入れて、鰹節を削り、納豆を混ぜることだ。

書道で硯で墨を擦るような感じだ。なにかを始める前に、一連の決まり切った動作をすると、気が落ち着き引き締まるような気がする。禅の心かな?

もしかすると、これは自然物崇拝(アニミズム)のわたしにとって、自然のものを頂くというひとつの宗教儀礼なのかもしれない。


毎日食べているともっとパワーのある納豆がたべたくなる。学生の頃、京都の北山の農家で煮豆を藁にくるんで地面に埋め自家製納豆をつくるという話を聞いた。あれをつくりたい。


納豆に関する本を二冊よんだ。どちらも面白かった。ほとんどおなじ場所を取材しているが、スタンスが違う。論文とエッセイの違いを知るよい教材にもなると思った。文体にあらわれるその違いもふくめ、それぞれ読みごたえがある内容だ。

納豆の起源 (NHKブックス No.1223)  横山 智
謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉 高野 秀行



両方の本に共通する主張は、納豆の世界は広く日本の納豆はまだまだ開発の余地があるということだ。近頃ブームの「日本スゴイ君」たちには残念な事実だが、世界にはもっとスゴイ納豆文化がある。納豆煎餅はぜひともためしてみたい。

そんなわけで、自家製納豆をつくってみた。黒目だ。菌は市販の納豆を使ったが、市販のものよりよく粘る。


たしかに納豆の黒い目をこのごろみない。なんと、ゴミと勘違いするクレーム対策で、いまは白目の大豆を使っているのだそうだ。

納豆菌は藁だけでなくさまざまな植物の葉についており、実際に東南アジアではそれらが使われているという。今後いろいろな葉を使って新しい納豆を開発する楽しみができた。


昔ながらの方法でワラヅト納豆を作っている人はもう日本にはほとんどいないという。30年前に京都の北山できいた納豆は今どうなっているのだろうと気にしていたところ、本の最後に登場した。やはり京都にはまだ作っている地域があったのだ。


このあいだの研究会で報告があった、大豆の日本起源の可能性についてもふれていた。しかし大豆の原種ツルマメは納豆地帯に広く分布するので、納豆は多起源かもしれない。納豆はツルマメのサポニンの無毒化にはじまるという説も魅力的だ。ツルマメは野生で生えている。こいつで極小粒納豆をつくるのもよいな。

【まとめ】これから、やってみたいこと。
地面に埋めて納豆をつくってみる
納豆せんべいをつくってみる
いろいろな葉の枯草菌をつかって納豆をつくってみる
ツルマメで極小粒納豆をつくってみる